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リングテール

Author:リングテール

福島原発事故による放射能汚染から
子供を守る為、安定的な生活を捨て
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 「TPPと日本の医療」~朝日新聞掲載記事~

2013.04.15 01:02|健康・病気・医療
ジャーナリスト堤未果のブログさんより転載


 「TPPと日本の医療」~朝日新聞掲載記事~



 ジャーナリスト 堤未果
                                                     

年間90万人が医療破産
世界一医療費が高い米国

 日本と違い医療が市場原理に支配されるアメリカでは、医療費は年々高騰し財政を圧迫しています。アメリカは先進17カ国中、平均余命が最も低いにも関わらず、医療費は世界一高い国です。
 アメリカでは病気になっても、日本のように自分で病院を選ぶことができません。患者と病院の間に存在する民間の医療保険会社が全て決定するからです。病院に行くとまず、「どの保険に入っているか?」と聞かれます。
加入している保険プラン毎に治療可能範囲が変わり、医師が決定する事はできません。
 公的な国民皆保険制度(下記参照)が整備されている日本と違い、アメリカでは65歳以上の高齢者と最貧困層を除いた全国民が、自己責任で民間の医療保険に加入します。民間保険はかけ金が高く、年齢や病歴で加入を渋られる。現在無保険者数は約5000万人ですが、無保険だと殆どの病院で診療拒否されてしまう。
 重症化してから運ばれる為、アメリカのERは無保険者で一杯です。
高いお金を払って保険に加入しても安心はできません、保険会社が理由をつけて治療費の支払いを拒否するケースが多いからです(年間90万人いる医療破産者の75%は保険加入者)。
大企業社員や富裕層は掛け金が安く手厚い「優良保険」に入れますが、中流層以下の大半は掛け金が高く適用範囲の狭い「低保険」にしか入れません。市場原理は株主優先ですから日本の皆保険とは逆に、深刻な病気ほど保険が利かなくなります。
オバマケアが施行される二〇一四年以降は無保険は違法になり、医療破産者や医療難民数は更に増えるでしょう。
 このような医療制度は、病院や医師にも大きな負荷をかけています。
 医療破産やERの不払いは病院経営を悪化させ、医療の質の劣化や病院倒産につながるからです。保険会社と契約した医師は経費削減による利益拡大を迫られる為、医療事務員の人件費縮小などから専門外業務がどんどん増えてしまう。過剰労働やそれに伴う医療ミスへの訴訟増加などが医師達の心身を追いつめ、全米の専門職の中で医師の自殺率はトップレベルです。



市場原理の部分的導入は国民皆保険制度を形骸化させる

 実はアメリカでも営利型病院より、非営利病院の方が圧倒的に多いのです。でも市場原理下で公民を抱き合わせるとどうなるか?
「民が公を侵食して」ゆきます。
 80年代以降のアメリカで、医療を含む多くの分野が同じ道をたどりました。例をあげましょう。ある地域に営利型病院が参入する際、同地域の病院を買収し傘下に入れるか、人件費と質を極力落とし「低価格の医療サービス」を開始します。すると競争原理が働き、非営利病院も価格競争に巻きこまれてゆく。自由化された薬価と高騰する医療費で患者に選択肢はなく、安い方へと流れてしまう。やがて競争に敗れた病院は、倒産するか営利病院に吸収されてゆく。
 日本の地方都市がシャッター通り化するパターンを思い出して下さい。今アメリカでは、大手企業を中心に病院の寡占化が加速しています。
 アメリカ医療の現実は、医療における市場原理導入のシミレーションです。
 日本の「国民皆保険制度」は海外で羨ましがられますね。
 WHOが絶賛し、世界五十カ国が導入しているこの制度、実はアメリカでも医師を含む多くの国民が支持しています。マスコミや業界の圧力で、なかなか表に出てきませんが。
 日本ではTPPにおける医療への影響を語る際、「国民皆保険が議論のテーブルに載っているかどうか」がよく争点にされますが、これは余り意味がありません。
 国民皆保険に手をつける事を日本国民が許さない事は外から見て明白だからです。外交と言う駆け引きで、そんな不利なカードは切らないでしょう。
 もっと言うと、そんな必要もないのです。皆保険を残したまま医療に市場原理を導入すれば、競争の中で淘汰され自然と崩壊へ向かうからです。全面解禁された混合診療が競争を加速させ、新薬や診療はより利益率の高い保険外枠に入れられてゆくでしょう。
 株式会社化した病院が利益のために不採算部門を切り捨てれば、過疎地の医療崩壊へつながります。
 企業が寡占化で巨大な力を持った今、市場原理下で公民を抱き合わせても、「公」を守る事はできません。


国民を守るための規制より企業に有利なISD条項

TPPにおける最重要項目は、実は貿易よりも「ISD条項」です。
政府もマスコミも沈黙していますが、これはTPPが「1%のクーデター」と呼ばれる所以です。ISD条項とは、外国企業の自由な営利活動を相手国の国内法が規制する場合に、企業や投資家がその政府に対し、制度の停止、変更、及び損害賠償訴訟を起こせるというものです。
アメリカ企業は既に過去FTAを結んだ相手国政府に対し相当数の訴訟を起こし、巨額の賠償金を得て勝利しています。
裁判は世界銀行傘下の「国際投資紛争解決センター」で非公開に行われ、判定基準は公益より「投資活動における実害の有無」。上訴は不可です。
企業弁護士も非常勤裁判官に就任でき、実際過去のISD裁判で裁判官が原告の株主企業取締役だったケースもありました。裁判費用は平均一件800万ドル。長引く程に額が膨れ大企業を利する為、弁護士や裁判官に企業側を勝たせるインセンティブが出来てしまう。
ISD裁判とは、まさに印のついたカードでポーカーをする様なものなのです。
 日本におけるTPP報道は農業問題ばかりに矮小化されていますが、ISD条項一つみても分かるように、これは世界のパワーバランスを180度変えてしまう性質のものです。
 アメリカ主導の交渉なので、日本にとっては単なる貿易問題に留まらず、安全保障の問題も含め議論せざるをえないでしょう。
 世界で立ち位置をどこに定めるのか。変えるべきもの、守るべき宝は何なのか。私たちはTPPを通して、今「国の在り方」そのものを問われているのです。 
 TPPは密室交渉ですからアメリカの国会議員にすら詳細は知らされていません。まずは正確な情報を集め、国民がその是非についてきちんと考え、議論し、賢明な選択ができる状況を作る事が、何よりも大切だと思います。
                     (聞き手:川村二郎・作家)
2013年3月15日(金)朝日新聞掲載インタビュー記事






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ジャンル:ブログ

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